内向きな学生ばかりじゃない! 在中国留学生との対話
今回の中国出張中、11日には長春の東北師範大学で、17日には北京で、日本から留学している学生、北京では日本留学経験のある人から、いろいろ聞かせてもらいました。
日本では若者が内向き志向だと取り沙汰されていますが、さすがに自ら留学している学生さんは目的意識も明確でした。
例えば、
・日本の大学の学部生の方で、すでに起業していてそのビジネスを中国などに展開したいので、休学して1年中国語の勉強に来ているという学生さん、
・高校出て、日本の大学に行くよりは自分を磨きたい、チャレンジしたいということで、中国に来て、まずは大学の予備課程で語学をやってから本科(正式な学部課程)に進んだ学生さん、
・日本の学部を出てから中国に来て、語学をやってから修士、博士ととって、二つ目の博士に挑戦中の学生さんなどなど。
また、みなさん、勉強だけでなく、ボランティア活動、社会活動にも積極的に取り組んでいたり、また、学生の立場で日中両国の友好促進に尽くすんだという熱い思いをもって、実行しているのには、感激しました。大学で日中文化祭をやる、各国の在住者で野球チーム作ってスポーツ交流を推進している、日中両国の学生がお互いにお付き合いしながら言葉を学びあうLanguage Partner 探しの手伝いをしている、小中高生に留学の選択肢を教えたいなどなどです。
一方、日本留学の経験者からは、
・異なる文化を知るということ自体に意味があった、
・中国を外から見ることができた、
・アルバイトを進んでやったが多くの人と知り合い、日本社会がどう動いているか知ることができた
・交換留学で1年行ったがいい経験ができたので、大学院でまた生きたい
など、留学したことの意味を肯定されてた。また、日本ではゼミなどで、学生と教員の関係が柔軟、ゼミ旅行で学友と深い付き合いができたなど、ゼミを評価する意見も出た。
留学している学生さんからは、日本と中国の大学の違いとして、
・中国の学生は先生の教えたことを頭に詰め込むのは得意だが、critical thinkung の訓練はあまりされていない。
・日本の学生の方がボランティア活動など、課外活動に積極的。中国の学生はがり勉タイプ。
・清華大は粒ぞろいでみんながり勉タイプ何に対して、北京大はの学生は幅がある。
・理工系では、たとえ教員の英語が拙くとも、教科書、パワポは英語。教科書はその科目では世界標準になっているような英語の教科書を使っている。
など興味深かった。
留学している学生さんからの要望としては、
・英語教育を底上げしてほしい。日本では英語ができるつもりだたったが、中国に来て普通か、もしかしたらそれ以下。クラスでは日本人はリスニング能力が劣るという前提でかめられていて悔しい。
・日本に来る留学生を30万人にするのは結構だが、日本の学生がもっと外に出て行くようにしてほしい。さらには、大学よりも前の段階から、外国に出すようにすべきだ。
・中国の大学でとった単位を日本の大学の単位として変換できればいいが、授業を履修し終わらないと変換できるかどうかわからないなど、先の不安が消えないような大学の対応は何とかしてほしい。
また留学経験のある人からの要望としては、
・日本で一番大変だったことは住宅さがし。研究生の身分の間は大学も身元保証人になってくれず本当に大変だった。
・奨学金の給付基準やなぜその人が受給されているかを透明にしてほしい。
・病院にかかるときのこと、国民健康保険のことなど、日本に行ったらすぐ説明してほしい。
などが主なものでした。
意見交換が終わって、何人かの学生さんは、今晩は、国際カラオケ大会なんですと、楽しそうに会場を後にして行った。
参加してくれたみなさん、ありがとう。みんさんの話を聞いて、こっちが元気づけられた。多くの若い人が、大学を通じて行き来できるようがんばらねば。
今回の意見交換会を行うには、長春では東北師範大学の安載鶴 国際協力交流処副所長、北京では東京大学の藤田明子 北京代表処副所長のご尽力でセットできたものです。どうもありがとうございました。
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