日中友好は自分たちの手で 日中合同成人式に邁進する在北京日本人留学生たち
9日、北京大の日本人学生さんと、いくつかの日本の大学の北京事務所の人と懇談。前回10月時にも顔を出してくれた二人と、今回新たに1人来てくれた。
場所は、天安門から西に約1kmくらいかな? 近代的なビルが立ち並ぶ、なんとなく新宿っぽい「西単」という地区の裏路地の胡同にある手羽先焼き屋さん。店の名前は「西单翅酷」。北京に何箇所かあるチェイン店らしいが、ここのが一番人気だとか。
さて、来てくれた学生さんのうちの1人、北京大学で国際関係を勉強する村松文也さん。日本の高校を卒業し、日本で仕事をしてから北京大に入学したそうだ。現在2年生ながら、北京大日本人会会長を努め、おまけに、今年の秋には、彼も含め北京の各大学の日本人留学生代表で、北京日本人留学生社団 Beijing Japanese Students Association 通称ビジャッサを立ち上げた。これは、「北京各大学間を超えたネットワークを構築し、自らの五感で日中の相互理解促進のため、意義のある活動を企画し発信すること」を理念としている。
今回、彼から聞いたのは、来年1月8日に日中合同(「中」には台湾も!)成人式を行うべく奔走しているということ。中国にも成人式はあるが、文化は異なっている。そこで、合同成人式を行い、日中の新成人で相互理解を深めようというもの。また、日本からの留学生は、お正月で一時帰国したにしても、日本での成人式の頃は中国の大学で前期の試験が本格化する頃で中国に戻らなくてはいけなくて、一生に一度の成人式に出られない。それを救ってあげたいという思いもあるとのこと。
村松さんは、学業だけでなく、在北京各国の人たちで野球チームを作って対抗試合をやったりとか、extracarricular activities にモリモリ気持ちよく取り組んでいる。そういうことで、日本人だけでなく中国、各国の企業人などにもネットワークを広げていて、この日中合同成人式への支援集めなどに、授業の合間を縫って「会社訪問」していいる。
中国財界からも、日本留学経験があり支援してくれる人が見つかったとのこと。日本企業からも、現物提供、資金提供など、ご支援してくださる話がついていっているとのこと。また、在北京の日本のマスコミにも報道していただけないか働きかけているとのこと。翌日は大使館広報文化部に支援のお願いに行くと言っていた。
10月に彼らと話したときは、尖閣での問題で地方都市で反日デモが起こり始めていた。かれらは、そういうときだからこそ学生レベルではぶれずに日中友好を進めなくてはいけないと固い決意で、合同文化祭の企画などを進めていた。実際、かれらが学ぶ中国の大学の学生との間は何も問題ないとのこと。むしろ、中国の学生さんはかれらと接して、「本当の日本人がわかった。日本人のよさがわかった」と言うそうだ。
今回も彼らと話して、彼らなりに日中友好を進めようという一種の責務のようなものが感じられ、とても崇高な精神だと思った。また、中国の各界にも彼らを応援してくれる人がいる。日本の中高年の人たち、大学の先生たち、一般論で「今の大学生は...」などと言わずに、こういう学生さんにももっと目を向けようじゃありませんか。また、かれらの努力を応援しましょう。
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