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2010年12月15日 (水)

「カイシャ維新」を読もう

冨山和彦さんの「カイシャ維新-変革期の資本主義の教科書-」、読んでみました。黒川清先生が、「ビジネスの人たちはMustだが、役所も、政治も、どこも人でも読むべし、お勧め。ごたごた言わないで読む、本質だから。」と推薦を通り越して指示のようなことをTwitterに書かれていた。

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読んでみて、これまでそうじゃないかなぁと思ってたことがいくつか確信になり、あるいは、そういうことについてハッキリした見方を与えられた。もっぱら第5章に書いてあることが多いが、いくつかあげると以下の通り。黒川先生が「本質だから」とおっしゃってた意味がよくわかりました。

なお、第5章は、2008年7月のいわゆる新前川レポート、経済財政諮問会議の「構造変化と日本経済」専門調査会報告「グローバル経済に生きる-日本経済の『若返り』を-」がベースになっていると著者は言っているが、同報告よりはるかに、主張がくっきり、はっきりしている。

いくつか引用させていただくと、

・規制強化により、国内での雇用形態には、事実上、正規雇用という、人件費を長期固定化、硬直化する選択肢しかなくなりつつある。当然、企業としては、設備投資は海外に、働き手もできるだけ海外で雇う方向にインセンティブ付けされる。国内では、既存の正社員の残業増でなんとかしのぎ(したがって正社員の所得は増加する)、新卒の採用は自然減を補う範囲にできるだけ抑えるという現象がおきるのだ。だから失業率は高止まりしたまま。09年度の新卒求人状況は90年代の就職氷河期を上回る最悪なものだったが、景気回復期の今年もほぼ同様の水準。カイシャモデルの延命弥縫策によって、私たちはまたぞろロストジェネレーションの再生産に向かっている。

・才能に恵まれ野心のある日本の若者が、青天井で世界の頂点に登っていくことを思い切り促していく必要がある。そこでは何より、トップクラスの大学、おそらくは高校の一部について、大改革を行うことは必須である。ポイントはこれらの教育機関を世界のフィールド、少なくともアジアにおける知的オリンピックが常時開催されている場所にすることである。...日本の一流高校や大学が、アジアはもちろん、世界のトップの学力レベルの若者が集まり、共に学び、競い、語り合う場所にすることに、国家国民を挙げて取り組むべきだ。

・現状、日本における教育に対する公的補助の対GDP比率は、OECD諸国の中で最低水準である。あえてリスクを取っていえば、中高年、高齢者のために使う税金と、未来ある子供たちや若者のために使う税金と、どちらが大切か。そのことを中高年世代が真剣に考えたとき、おそらく答えは自明のはずだ。本気になれば金はあるのだ。

・国際的な経験が豊富は、したがって少し飛んでる日本人たちが、過去において必ずしもハッピーな人生を送っていない事実。そういった人々が、内なる見えない壁に阻まれる姿を見てきた親の世代や、その子供たちである若者たちは、ますます狭くなるカイシャの正社員枠にはいるべく、必死にムラ内の空気を読んで、内向き指向で小さくまとまった日本的優等生を目指している。若い時代に海外で過ごす1年、2年は、時間の無駄だけでなく、「変な日本人」になる分、百害あって一利なしだと思っているのだ。


その他、日本の経済を回すにはどうするか、今求められる、リーダーシップ、知的良心とは何か、国際標準化は自国有利にもっていく戦いであることなど、その通りと納得できることが多かった。

どんなセクターでも、これからは何を心得て諸事に臨まなければならないか、考えさせられます。

みなさんも是非読まれることをお奨めします。


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