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2010年12月12日 (日)

日中韓3国で新たな大学間交流、来年から開始で合意

10日、日本、中国、韓国の3カ国の間で、単位の互換などをきちんと織り込んだ、アジア世界に通用する人材を協働で育てる教育プログラムを展開していこうという構想を進める、政府レベルの第二回の会議が北京で開かれました。来年できるだけ早くパイロットプログラムを開始しようと合意したのが大きな収穫。会議結果のプレス発表はこちら

この会議のメンバーは、大学、産業界、大学教育の質保証機関のハイレベルの人からなっていて、日本はといえば、

安西 祐一郎 文科省参与、慶應義塾学事顧問(前塾長)、中教審大学分科会長が共同議長、他に、
濱田 純一 東大総長
寺嶋 実郎 日本総合研究所会長、多摩大学学長
中鉢 良治 ソニー副会長
平野 眞一 大学評価・学位授与機構長
磯田 文雄 文科省高等教育局長がメンバー

この構想は、もともと鳩山由紀夫前総理が昨年の日中韓サミットで提案したもの。中国、韓国からも歓迎され、ことしの4月には東京で第一回の会議が開かれ、CAMPUS Asia という構想が立ち上がった。レセプションには鳩山総理もお見えくださり、3カ国の学生に囲まれて挨拶いただき、また、乾杯後は、かれらとじっくり歓談していただけた。

第一回の会議の後、8月には東京で作業部会の会合を開き、来年にはパイロットプラグラムを開始することを念頭にでガイドラインの案などを検討して、このたび第二回の会議となったもの。

今回の会議では、ガイドライン案が大筋で認められるとともに、とにかく来年できるだけ早く、パイロットプログラムにとりかかろうと合意できたのが大きな成果だ。

会議の中での発言として、

・世界の動きは速い。とにかくパイロットプラグに早くとりかかり、やりながら改善・拡張しよう。

・パイロットプログラムの開始は、アジアも高等教育の人材育成に世界的リーダーシップをとるとかかげていく出発点だ。

・産業界とも連携して、出口戦略を明らかにして取り組んでいこう。

・日中韓3国が高等教育で本気で連携すれば、世界の課題の大部分を解決できる。アジアをリードし、世界をリードできる人材を育てていこう。

・日中韓で比較優位にある分野で連携してt、さらに国際的に強くしていこう。

など、前向きの意見がどっさりでした。(うれしい、うれしい)

この会議いいのは、へんな駆け引きとかなくて、本当に3国とも、大学の国際競争が急速に進んでおり、なにか始めないとアジアの大学が埋没していってしまうという危機感、あるいは、アジア、とりわけ日中韓3国の大学はその気になって連携すればもっと国際的にやれるはずだという強い期待をもって、各国委員が、素直にいいアイデアはとりいれていきましょうという気持ちで臨んでおられること。

会議後の中国教育部主催のディナーは、和気藹々、お互いのご苦労を本心で褒め称えあう、飾ったところのない、いい雰囲気でした。私は、中国側メンバーの一人、北大方正集団総裁の張兆東さんと白酒(コウリャンが原料の蒸留酒。アルコール度50度以上でした。)でカンペイ!の連続。
Img_2274

4月に東京で第一回会議やったときに、飲兵衛は本能的に類を察するようで、そのときは、日本酒でカンペイ連続でした。今回も会場でお互いを見かけるなり、握手+hugで再開を喜んだのでありあました。

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